悠くんの混乱2011/07/07

今日は、登園バスにぱっと乗り込んですぐに後ろに行く通路で
立ち止まり、添乗員さんに何か聞きたそうです。
画像では①と②の間の通路の位置です。

悠くんには言葉がないので、立ち止まったまま添乗員さんの方を向いて、
一生懸命バスの後ろの方、自分の座席のはずの⑤の方を指差してます。



今日は左側のシートが最後まで全部空席です。
「あ」の位置に座る人がお休みの時に、悠くんが「あ」の位置に座ることがあるようです。
いつものように乗り込んで後ろに行こうと思ったら、「あ」の席の人がいなかった・・・さて悠くんの席はどこになるのでしょう?
自分がどこに座ったらいいのか解らなくなった悠くんは立ち止まって聞いてます。

他に乗る人が3人います。3人とも身体的な介助か必要な人たちです。
添乗員さん2人はその3人を乗せるのにパタパタとしていて
言葉のない悠くんのしぐさだけの訴えにはなかなか気がついてくれません。
しばらくしてやっと気がついてもらえて「あ」の席に座るように指示を受けました。

なぜどういうルールで自分の座席が変わるのかが解らない悠くんには、大変なことです。


ただこれだけのことですが・・・・・

自閉症の悠くんは失敗が嫌いです。
違う席に座ってしまって移動させられることは、言葉が理解できない悠くんには「失敗」てす。
 A「ごめん。悠くん。ちょっとこっちに座ってもらってもいいかなぁ」
 B「悠くん、そこはあなたの席じゃないでしょ。こっちでしょ」
言葉が理解できる場合、このABの違いは解ります。
Bは自分のミス(失敗)ですが、Aは自分のミスではありません。

でも言葉がまったく理解できない場合、相手の動作や表情のみで判断する場合、これは「失敗」と捕えます。
いったん自分はここだと判断して座ったものを修正されるのです。
特に、朝の忙しいバタバタの中でのこの移動は、
添乗員さんにも余裕がありません。
悠くんには「失敗」としか映りません。

パニックなど表には出しませんが・・・
こういう混乱が悠くんのストレスになって身体的な症状として
出ているのだろうと思います。
  ・治っていたアトピーがまた出て来た。
  ・たまにおねしょをする
というような感じです。



「通所2年目」の日記で http://sally.asablo.jp/blog/2011/05/01/5834143
新年度になって登園バスの座席が変わったので、
悠くんが少し混乱をしているということを書きました。
出来るだけ座席を固定してほしいとお願いして、
そうしてくれていたはずなのですが・・・

何も問題を起こさない、その上・・・まるで言葉の指示が通じているようみ見える悠くんです。
やっぱりその時その時の乗っているメンバーで座席が変わります。
座席を変更すると混乱する人の座席は変更されませんので
変更してもぜんぜん問題ないと思われているのでしょう。


自分で座って、リュックはここと決められているところに置きに
自分でシートベルトをきちんと締めます。
介助は必要ありませんのでわざわざ前に移動させる必要もないと思います。
⑤は空いているのですから、他の席が空いていても、
悠くんはずーっと⑤でもいいはずです。


前列の人たちがお休みだと、前列にした方が、後ろの真ん中の座りにくい座席よりは、
窓際だし景色も見えるからで本人にもいいだろうと思われての事だろうと思います。



この「善意」本当にくせ者です。
悠くんにとっては善意にならないことも多いです。
「善意」てやってくれたことに対して、それは止めてくださいとは言いにくいです
でも・・・
よけいに混乱させてる状態、まるでいじめているような状態ということも多いです。






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サイトに載せている「サリーのひとり言」に書いた
小さい頃のトラブルです
「悠くんの泣く理由」
http://www.ne.jp/asahi/autism/sally-tree/sub30001.htm

悪意をもって対応しているわけではないです。
熱心に一生懸命対応してもらってますが・・・
悠くんには「いじめ」のようになってしまっている場面です。
さて・・・・いったいどちらが悪いのでしょうか??

小さい頃から、こういう場面によく出会ってきました。
やり取りが出来るようになったことで、本来の能力より
かなり高い評価を受けてしまいます。
それが原因で起きて来るのですが・・・・・



自閉症や知的障害についての理解
言葉が理解できないとはどういうことなのかということの理解
そういうものがまだまだ足りないと思います。

知的障害のバリアフリーは・・・
いつか来るのでしょうか・・・?