情報としての写真2011/08/19

病院のパンフ
普段は写真など見せても全く関心を示しません。
視線は写真ではなく、写真を見せている人の方を見て
ご機嫌を伺いながら、お義理で指で写真をとんとんしてくれます。

どんな写真でも全くお構いなし、関心なし・・・
悠くんには写真の意味がわからないのでしょう・・・
写真って、そこに移っているものを見ながら
過去を振り返って見るというか、過去の事を懐かしむ
みたいなものですよね。
「過去」・・・悠くんの中に存在するのでしょうか?


悠くんにとって必要な写真、未来の情報としての写真カードには
ものすごく敏感に反応します。

自分の身に影響を与える情報、「何かをする」とか、「どこかに行く」と
いった情報かもししれないという写真には、すごい関心を持ちます。
当たり前ですが・・・

誰でも、何気に他人の会話が耳に入ってきて、
自分に関係することを言われているような単語を耳にしたら、
当然そっちに関心が行きますよね
「え??何?何?」というような感じで^^



上記のパンフは、悠くんが通院している病院の入院用パンフなのですが、
たまたまサリーがそれを持って帰ってきて、テーブルの横にちょこっと置いていたら・・・
悠くんが目ざとく見つけて近づいてきて、サリーの方を見ながら、
それを示して「あっ?」

正面を遠くから写した感じなので、悠くんはそれがどこの写真かわかったのでしょう
その病院の予定が入ったかと心配になったようです。
「いやいや。これはママの」と伝えると安心して去っていきました。

あの写真がいつつもの病院だとよくわかったなぁ・・・とびっくりしましたが、
自分に関係あるかもしれない写真とかは、本当によく見てる悠くんです。

コメント

_ ken ― 2011/08/19 23:13

小学部ですが、写真や絵から情報を読み取ることが難しい子がいます。
「カードを持ってくれば好きなおもちゃをもらえる」
「カードを渡されれば、教室移動の合図」
みたいに、カードが何か自分の行動に影響をもたらすことは繰り返しの経験から分かってきたのですが、カードの中身はなんでもいいというか、弁別はできていないです。

悠くんは、絵や写真の理解力自体は、どれくらい変わってきましたか?(わかりにくい質問ですみません。)

_ サリー ― 2011/08/20 09:36

えっと・・どの段階から絵や写真を理解できるようになったか?ということですよね?

現在も悠くんは絵も写真も理解してません。
この日記に書いたことは先月にあったのですが・・・
このとき初めて、場面にマッチングした写真以外で、
写真からその建物が何かを理解する力がついたのかと
驚いたので、書いてみました。

悠くんの写真や絵カードは全てその場面や物と1対1でマッチングさせてきた具体物です。
中に何が写っていても、何が描かれていても関係ありません。
たとえば、「運動会」を表すのに「盆踊りをしている写真をマッチングしたとします。写真が解る場合は「え???」となってしまいますが、わからない悠くんはなんの疑問も持ちません。
そのまますんなりと、その盆踊りをしている写真が
「運動会」を表すカードになります。

悠くんは小学部に入った3年生の時点でカードをかなり使えていましたので、その時期の取り組みは写真で複雑なことを伝えていますが・・・
もし悠くんが小学部で初めてカードを使い始めたとしたら、
たぶん・・・

>「カードを持ってくれば好きなおもちゃをもらえる」
>「カードを渡されれば、教室移動の合図」

こんな難しいことは理解しません。
このカードの意味は・・・とっても複雑で難しいです。

これが出来るレベルの子どもさんって、ティーチプログラムの
スタートラインからスタートできる子どもさんですね。
悠くんはそのスタートラインにたどり着くのに3年かかってます。

_ (未記入) ― 2011/08/20 09:46

続きです。

えっと・・悠くんを想定して書きますね。

コミュニケーションというものの存在そのものに気がついてない、やり取りの存在から気がついてない段階で、まずやり取りの存在を教えるのに、何か情報を手渡す、本人が手でそれを受け取るというところからですよね。
その手渡された情報はとっても単純で、かつ本人がすごく必要としている情報でなければ、ただの儀式「手渡されたものを受け取る」になってしまうと思います。
その手渡されたものに本人がどれだけ関心を示すかが重要なのではないかと思います。

学校の先生はスケジュールから理解させようとされるのですが・・スケジュールはこちらが伝えたいことではないですか?
たぶん「コミュニケーション」という方に重点を置いて、本人が本当にしたがってる事や物を利用して、そこにそれを表す具体物をマッチングさせるということろからでないと難しいのではないかと思います。


これでご質問の返答になってますか??
カードコミュニケーション・・・本当に難しいです><

_ サリー ― 2011/08/20 09:55

おもちゃのカードって、悠くんにはすごい難しかったです。

なぜかというと・・・
積み木、ブロック、粘土などなど、こちらはそのおもちゃを示しているつもりなのですが、悠くんはそれがそれぞれ独立したものという理解はしてませんでした。

「積み木」というグループ、「ブロック」というグループという区別すらしてませんでした。全てその辺にある物体で、おもちゃだとかスプーンやフォークやなどの食事の用具とか・・そんな区別すら出来ていない子に、そんな何かの部分みたいな写真って理解できないと思われます。

なんていうのか・・説明が難しいですが・・・
「積み木」なら、積み木がどれかと言う区別を少なくとも体験として身体で理解していないと、それに「積み木」という概念?枠組み?でカードを引っ付けるのは難しいですよね?

もっと単純なことに対してカードをマッチングしないと・・・
悠くんなら難しいかなぁと思います

_ ken ― 2011/08/21 11:33

詳しく説明してくださりありがとうございます!

写真カードは、場面や物と1対1でマッチングさせてきた具体物なんですね。

本人がすごく好きな感覚遊びグッズを使って、カードとの交換でもらえることを教えました。(PECSの手続きで)時間がかかりましたが、自分でカードを先生渡すことはできるようになりました。複数のカードを弁別することはできないので、一つの場面で一つだけにしています。

スケジュールの方は、状況判断?で動いていることが多いので、後追い的に写真カードを移動場所とマッチングさせています。でも、移動するときにはカード持って行くんでしょって感じです。
(具体物提示の方が多いです)

コミュニケーションでも、スケジュールでも写真の中身は分かっていないので、確実に伝わっていないだろうなあと思います。
写真はどちらかというと、支援者が何のカードかわかりやすくするために付けているような感じです。(支援を統一するために)

写真や絵の弁別力を高めるために、机上でもマッチングや分類の課題をしていますが、まだ難しいです。ビー玉とコインを穴の違いに気付いて入れられるようにはなってきています。

・・・・・・
>「積み木」という概念?枠組み?でカードを引っ付けるのは難しいですよね?

 これは、「おもちゃ」という概念は、「積み木」や「ブロック」・・など、まずは、部分?要素?が分かって、これも「おもちゃ」、あれも「おもちゃ」と仲間分けできて、はじめてできあがってくるものなのですよね。
 逆に、一つ一つのおもちゃの種類が区別できていなくても、遊び場で遊ぶことを「きゅうけい」や「おもちゃ」みたいにカードで示して意味づけていくのがいいのでしょうか?

「コンビニ」だったとしたら、「A店」「B店」「C店」・・の集まりが「コンビニ」として。
各店の違いが分かっていたり、A店がいい!という思いがあれば、
「コンビニA店」で教える方が誤解を招かなくてもいいのでしょうが、そうでなければ「コンビニ」なのでしょうか?

その子の興味や能力に応じるということなのでしょうけど。

すみません、わかりにくいですね。

_ サリー ― 2011/08/21 18:24

悠くん、写真はすごく難しかったので、具体物(物)そのものや、場所の具体物から始めて、それが大切な情報で何を示すものかを理解してからカードにスライドさせていった感じです。

「カードに示されている物の理解」と「カードの意味の理解」と・・・
同時に2つのことというのは、なかなか難しいです。
理解できる子はいいですが、難しい場合は、カードの前にまず具体物そのものからのがいいのではないでしょうか?
体育館シューズを渡すことで、体育館に移動するということを伝えるというような具体物でいいのではないでしょうか?
悠くんは次のステップとして、その「体育館シューズ」を写真カードにしました。


「遊び」というのは遊び場をくっきり解る様にして、
たとえばその場所だけジュータンとかマットが敷いてあるというような・・・
その場所が遊び場とわかるようにして、そしてその場所の具体物を用意する、
それを渡すことでその場所に行くというところから始めて、
その写真へ移行していく方式がいいのではないでしょうか?
たとえば、その場所で遊ぶときには必ず座布団を敷いて座るということにして、その座布団を手渡すことでその遊びの場所に行く
ということを示すというふうに具体物による提示です。
次のステップとしてその「座布団」を写真カードにする


悠くん、具体物でのやり取りがある程度で来て、それをそのまま写真に取ったものに摩り替えて行きました。
最初は写真はまったくわからなかったので。
写真の形のカードが情報だと悠くんが気がついてからは、新しい場の写真を使うところからスタートできました。

そのカードは大切な情報だということを悠くんが理解してからは「何の情報か」を理解するだけでいいので、その場所や物とマッチングさせるのがすごく楽になりました。

それと・・・コンビニA店B店C店、全部「コンビニ」というグループ概念の理解は難しすぎて、現在も悠くんにも無理です。
というか・・・
悠くんの知的な能力で「コンビニ」を理解する必要はありません。
それぞれ個別のお店「A店」「B店」「C店」で十分ですが・・・
「コンビニ」というお店の種類を現す言葉を使う必要はないです^^


PECSなど決まったカードがあるのは支援者側にはとても便利だと思います。
ただ・・やはりすごく知的に重い場合、カードというものはとても難しいと思いますので、カードにこだわらず、本人が理解できる具体的なものからのスタートを考えたほうがいいのではないかと思います。

ある程度の力が付いてきてから、それを決まった物に移行していくということでいいのではないでしょうか?


支援学校でとても熱心な先生方で・・
ティーチプログラムを一生懸命学んだ先生方が、悠くんぐらいの重度の子供さんに
写真カードからスタートしようとがんばっておられて・・・
結局実らなかったという例をたくさん見ました。
もっと前のステップからスタートすればきっと成果が出ただろうと思います。


ご質問の答えになってますか?
悠くんのような、かなり重度児の場合とは・・・いうことで書いてます^^
もっと能力の高い子供さんでしたらそこまでする必要はないかもしれません。

_ Ken ― 2011/08/21 22:00

カードの意味とカードにしめされている意味の2つを同時にという説明でよくわかりました。

Pecsではマッチングができなくてもまずはカードとの交換から始めるので、カードの意味を教えているんだなと。
スケジュールも同じようにカードを使っているから分かりにくくなっているのだと思いました。
最初は悠くんのように具体物提示していたので、もう一度本人が理解できる具体物を整理してみようと思います。
本当に丁寧なお応えありがとうございました。

_ サリー ― 2011/08/22 21:59

何か参考になったことがありましたら
嬉しいです^^

ぜひまた来てください^^

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