サリーの樹～その後　【大人になった悠くん】

悠くんは毎日通園バスに乗っています。
園バスのバス停は団地の外周道路のこちら側にあるので
道路を横断することもなく、団地内の歩道を歩いて数分です。

朝、家を出るとさっさと走ってバス停に行ってしまいます。
バスが早く到着していたりしたら、σ(o^_^o)がバス停に到着した頃には
すでにバスに乗り込んで座席の座っています。

帰りは夕方です
バスが到着して降りてくるとまず、まっすぐ家に帰るのか
買い物にスーパーに寄るのかを確認するように
σ(o^_^o)の方を見ます。
まっすぐ帰る時と、団地内のスーパーに寄る時があるからです。

そこでσ(o^_^o)が「スーパー」と伝えると
スーパーまで走っていって、入り口でかごを持って
σ(o^_^o)が到着するのを待っています。

σ(o^_^o)が「お家」と伝えるとさっさと家まで走って行って、
家の近くでσ(o^_^o)が到着するのを待っています。
そこでσ(o^_^o)が悠くんに鍵を渡すと、またさっさと家まで走って
鍵を開けて入り、鍵は定位置に戻します。

σ(o^_^o)はただ後ろから付いて行ってるだけですねｗ


本人に鍵を持たせておいたらたら、一人で行けるのではないかと
よく聞かれます。

徒歩数分の支援学校に登下校している時に、
そのあたりの事をすごく悩みました。
悠くんと登下校している様子を見た人には
必ず「一人で行けるんじゃないの？」と聞かれます。

自力通学が出来るかどうか・・・ですが、
結局、「無理」と判断しました。
悠くんに「一人で外を歩かせる」ということはないです。



出かける時、必ず悠くんには目的地と手段を伝えますので
悠くんはどこにどういう手段で行くのかは解っています。
ですから、勝手にどこかに行ってしまうということはありません。
手をつなぐのは悠くんが嫌がるのでしません。
捕まってるみたいで嫌なのかなぁ・・と思います。

無理と判断した理由ですが・・・

目的の場所に行くまでの間に
全く何もなければ、問題はありません。
ですが・・・
もし途中で、誰かが声をかけてくるなど普段と違うことがあった場合、
悠くんはどう対処していいか解らずに困ってしまいます。
道の途中で工事などがあって迂回しないといけない場合もそうです。
悠くんはどうしたらいいのか解らなくなってものすごく困るでしょう。

言葉でのコミュニケーションが出来ない悠くんが
回りに人に何か聞いても理解されないと思いますし、
悠くんに何か伝えようとしても難しいと思います。
悠くんの事を良く知っていて、コミュニケーションが取れる人が
一緒にいないと何かあった時に悠くんは混乱してしまいます。

その「何か」が・・・
道に邪魔なものが置いてあって通れない
怖い犬がいて通れない
という程度の・・いつでも起こりうる事だからです。


小学生の頃、悠くんは外を歩く時に私と手をつないで歩いていました。
悠くんと手をつなぐのをやめようと試みて何度も失敗しました。
悠くんにとって外の世界はいつ何が起きるか解らない怖い所だったのではないかと思います。

それでもなんとか中学生ぐらいからは
手をつながずに歩くようにはなりました＾＾