自立って・・・2011/08/17

幼児期~学齢期にかけて、「自立(一人で出来る)」を目標に
いろいろしましたが、小学高学年でそのほとんどを
「無理」と判断してやめました。


身辺自立面についてなぜ「無理」と判断したのかは、
ブログに書きました。
「なぜそれをしているのか」を理解させられない限り
ただ手順だけを覚えて儀式のように適当にやってるだけです。


外出関係も「無理」と判断しました。
何か起きた時にどうしたらいいのかという判断の基準を
理解させられないからです。


中学生になる頃まで、悠くんは外を歩く時に、必ず手をつなぎたがりました。
これはたぶん一人で歩くことをすごい怖がっていまたのではないかと思います。
家の外は突然何が起きるかわからない場所です。
いろいろな音が突然聞こえてきます。
突然子どもたちが通り過ぎたり、車が通り過ぎたり
突然、いろいろな音、車の音、子どものはしゃぎ声、笑い声・・・
が聞こえます。
突然話しかけられたり、声をかけられたりします。
言葉が理解できない悠くんにはとっても怖い世界なのかなぁと
思います。


登校の時、学校に行く道は知ってます。
だけど、その道が突然工事になってたり、大きな引越しトラックが
止まってたりで道を替えないと行けないとき・・・
悠くんはどうしたらいいのかわからなくなります。
サリーの方を向いて行っていいのかどうかを確認します。


信号機を悠くんは理解しています。
横断歩道で信号が赤なら止まります。
信号が青に変わると・・・「渡っていいか?」というような顔で
サリーの方を振り返り、指示を待ちます。

なぜ青でサリーの指示を仰ぐのか・・・
100%「青は渡れ」ではないからです。
青でも「渡るな」と止められた経験があるからです。

「赤は渡らない」・・・これは100%ですので、
サリーの指示は必要ありません。
悠くんは迷わず止まります。
赤で渡らされた経験をしていません。
当たり前ですが・・・・
信号が「赤」では必ず止まって待たされました。

「青は渡れ」は100%ではありません。
支援学校だと全員でまとまって渡るために
お友達が来るのを待って青なのに渡らないこともあります。
支援学校だけではないですね
家族で歩いていても、誰かがゆっくり来ていたら待ってたりします。
横から車が曲がってこようとしてるということもあります。
「青だから必ず渡る」ということはないです。

「青」なのに止められて渡らなかった経験をした悠くん
なぜその時止められたのか理解できなかったのです。
なぜ今は渡らないのかを悠くんに完全に理解してもらうのは・・・
たぶん無理です。

ですから、渡っていい時と、だめな時の判断が
悠くんには自分では出来ません。
「渡ろうとして止められる」・・・これは自閉症の悠くんには
「失敗」に当たります。
青でも渡っていいのかどうかの判断できないので
渡れないのです。



そういうような悠くんが自分で判断出来ないことが山ほどあります。
そんなこと・・・どっちでもいいのよ?と思うようなことでも・・・
どっちの道を通っても目的地に付くからどっちでもいいという場合も
よくあります。
道の真ん中に花壇があってその右側を通るか左側を通るか・・・
そんなことどうでもいいのですが・・・
「そんなこと」ということすら悠くんには判断できないのです。

「そんなことどっちでもいいのよ?」と伝えられたらいいのですけど
それすら伝えられません。

そういうほんのちょっとしたことで迷って、
どうしたらいいのかわからない悠くんを見ていて、
一人で外を歩かせたら可哀想だ・・と判断しました。


これが、サリーが「悠くんには必ず支援者が必要」と思った理由です。
よく知的障害が重くても「自立」と言われますが、
なんでも一人ですることがいいことだとは思ってません。


悠くんが安心して行動できる環境、わからないことはすぐに聞けて
悠くんの意思を尊重してくれる支援者が常にそばにいる・・・
これが悠くんにとって一番の自立になるのではないかと思います。